電子タグ

「家電製品の電子タグ(ICタグ)実証実験への期待」

(財)家電製品協会や(社)電子情報技術産業協会を中心とする「家電製品の電子タグ実証実験」がいよいよスタートする。ICタグの実証実験は、昨年タグそのものの読取精度や読取速度といった機能についての検証を中心に実施されてきた。レジ業務関連、防犯関連、顧客サービス向上、マーケティング関連、バックヤード業務関連といった各分野での読取精度や読取速度の実証実験であった。

 

こうした実証実験の結果を受けて、今年度は家電製品のライフスタイルにおける電子タグの利活用を中心に実施される予定である。

 

具体的には(1)動脈サプライチェーン?販売、使用、リサイクル等家電製品のライフスタイル全体における利用モデルの提示(2)家電動脈サプライチェーンにおける電子タグ利用モデルの実証実験ーの2つに大別される。

 

(1)については、家電製品のライフスタイルに関わる、電子タグを使った情報共有化のためのビジネス課題を分析し、利用モデルのコンセプトを検討して集める、ということであり、(2)については、家電メーカー、物流事業者、量販店までの動脈サプライチェーンにおいて電子タグを貼付した家電製品を流通させ、家電業界で共用する情報共有データベースを構築し、流通在庫を可視化する実証実験を実施し、その効果を検証する、というものである。

 

さらに、(1)については電子タグ導入の期待効果、電子タグ導入課題、電子タグビジネスモデル、運用ガイドラインのそれぞれについて、各段階における問題点や課題を検討していく、としている。また、(2)については、それぞれの段階で出庫検品や入庫検品の作業をICタグで行うことによる効果を検証していく、としている。

 

 

具体的には、全体連絡会を始めそれぞれの目的に合わせた分科会を設置してメーカーや物流業者、量販店、情報ベンダー等のそれぞれの担当者が出席して検討を進めていく、としている。

 

この家電製品の電子タグ実証実験の中でとりわけ家電量販店が期待しているものの一つに防犯対策効果がある。平成13年度にスタートした「家電量販店セキュリティ研究会」でも万引き等への対応は大きなテーマとなっている。平成13年度に実施した会員(当時46社)の万引き被害額は7億5千万円であり、経営に与える影響は少なくない。その後セキュリティ機器の設置や警備員の配置等様々な対策を立てるものの、組織的な犯罪を含めた万引きそのものがなかなか減少しないというのが実情である。

 

こうしたなかで、このICタグを使った防犯対策の実証実験が行われことに対する期待は大きいと言える。例えば、ICタグを製品に貼付(内蔵)することで、機器の動きが明確となり、常に監視できる体制にあることとなる。さらに、レジ精算時にICタグにフラグを書き込むことにより、防犯ゲートと防犯カメラとを連動させることで、従来以上の万引き防止効果が得られるものと期待されている。

 

一方で経済産業省は、米国のウォルマート等が採用を決めたタグの国際規格「EPC」を日本国内の流通業界でも普及させる意向としている。これは、欧米企業160社が中心となって標準化を進めているもので、国内では流通システム開発センターが管理・普及を担っている。こちらも、百貨店協会や卸の業界団体に委託して、店頭在庫管理の効率化や物流での検品、棚卸しの作業量の削減等についての実験を行うとしている。

 

いずれにしても、各業種毎に本格的なICタグの利活用の実証実験がスタートすることになるわけで、家電業界での今回の実証実験の成果が生かされ、1日も早い効率的なICタグの利活用が実現することが望まれるところである。