ガイドライン

「公正取引委員会・家電のガイドラインへの期待」

公正取引委員会は、このところ立て続けに独禁法違反(不公正な取引方法)で大手流通事業者に立ち入り検査に入っている。6月18日には福岡のディスカウンターMr Max、7月21日には名古屋のスーパーユニー、27日には大阪のコーナン商事に、いずれも独禁法違反の疑いが強まったとして立ち入り検査が行われた。

 

 

それぞれが、納入業者に対し不当な値引きを要請したり、協賛金を強要したり、新規開店時の派遣員を強く要請した疑いが持たれているもので、いわゆる「優越的地位の濫用」に該当するおそれがあるということのようだ。

 

公正取引委員会は平成3年7月に「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」(流通取引慣行ガイドライン)を公表し、公正・透明性のある流通政策を求めている。また、これに関連し優越的地位の濫用防止の観点から「下請代金支払遅延等防止法」(下請法)、「百貨店業における特定の不公正な取引方法」「新分業における特定の不公正な取引方法」等の特殊指定も定めている。さらに酒類ガイドラインやガソリンのガイドラインも公表し、不公正な取引方法の防止に努めている。

 

公正取引委員会は「2004年の公取行政の課題」のなかで優越的地位の濫用問題への対応を掲げており、家電業界についてもメーカーや家電量販店への商談の実態、取引条件(とくに、リベート、協賛金、ヘルパー派遣等)についてのアンケート調査が終了していると言われている。つまり、リベート、返品、ヘルパー派遣、協賛金等流通取引ガイドラインに盛り込まれた内容について改めて現状を確認しているようだ。

 

以下の内容がガイドラインに盛り込まれた。リベートでは、メーカーにおいてリベートの供与の基準を明確にし、これを取引の相手方に示すことが望ましい(書面があるか、事後に要求していないか、約束が守られているか等々)。返品については、返品の条件について取引当事者間で明確になっていない場合、問題が生じやすいので、小売業者においてその条件について納入業者との間であらかじめ明確にすることが望ましい(書面はあるか、処分リベートはあるか等々)。また、ヘルパーについては、小売業者においては派遣された従業員等の業務内容、労働時間、派遣期間等の派遣の条件について納入業者との間であらかじめ明確にすることが望ましい(書面はあるか、条件は明確か=駐車係りとか本来の条件と違う業務をさせていないか、ハッピを着せて従業員の様にさせていないか、ヘルパー派遣を金銭で受けていないか、派遣コスト以上に派遣していないか等々)とされている。協賛金については、取引当事者間で協賛金等の負担の条件について明確になっていない場合、優越的地位の濫用の問題を生じやすいので、条件について小売業者と納入業者の間で明確にすることが望ましい(書面はあるか、主旨、目的、積算内訳等が明確か、目的の明確でない協賛金を請求していないか等々)。

 

 

公正取引委員会は、このヒアリングを基に、必要であれば「家電のガイドライン」を策定する考えがあるようだが、家電の場合、取扱品目数も多い為、商慣行も複雑多岐に渡るとされている。

 

独禁法では「優越的地位の濫用」について、本来取引は当事者間の自由で主体的な判断によって行われるものであり、取引上の地位が優越していることを利用して一方的に不利益な取引を強要することは自由な競争基盤を阻害するものとされる、との観点に立っている。

 

年間売上高1兆円を目前にする量販店が出現しつつある家電業界において、「公正で自由な競争環境」確保の観点からも、この「家電のガイドライン」にかける期待は大きいと言える。