第三者認証制度

「第三者認証制度のさらなる確立を」

三菱自動車の90年代のほぼ全車種に及ぶリコール隠しは、国内のみならず世界各国に日本の自動車の安全性に対する不信感を抱かせた。いま、環境や安全に対する消費者の関心の高まりのなかで、同社の対応は全く正反対のものであり、その企業倫理が厳しく追及されている。 翻って、家電製品の安全についてはどうだろうか? 日本の電気製品の安全に関しては、従来「電気用品取締法」で規制されてきた。つまり、政府が決めた安全基準や、製品に表示しなくてはいけない内容について、行政機関が確認するという、いわば事前規制の法律で確保されてきた。型式認識の必要な甲種電気用品と、許可は必要ないが安全性を確認(自己確認)すればよい乙種電気用品の2種類に分類されていた。しかし、技術進歩による安全性の向上や規制緩和等平成7年には家電製品の大部分が乙種電気用品となり、Tマークも廃止、代わりに第三者認証マークであるSマークが登場してきた。

さらに、平成13年には「電気用品安全法」へと名称も変更され、いわゆる事後規制(事業者が自ら安全性を確認、製品が出回った後、問題が起きた時に罰則をかける)に変更になっている。マークもPSEマークに変更になっている。 ここで問題となるのが、自己責任原則である。製造事業者や輸入事業者はもとより、販売事業者も消費者もそれぞれ安全について自己の責任のなかで確立する必要があるということである。製造・輸入・販売事業者は、法律に定められた安全基準を満たした電気製品でなければ製造や販売をしてはならない、としており、違反者には回収命令や1億円以下の罰金が課せられることになっている。 この時に重要なのが第三者認証マークのSマークである。つまり、製造・輸入・販売事業者と利害関係のない第三者が電気製品の安全について確認したことを示すマークである。メーカーは当然自ら製造した製品の安全を確認するために自己認証を行っているが、さらに第三者にも安全性を確認してもらうことでより安全性の高い電気製品を製造することができる。 第三者認証制度を運用する「電気製品認証協議会」によれば、家電店(家電量販店、百貨店、GMS、地域家電店)店頭に陳列された製品のうちSマーク取得の実態調査では、例えば、冷蔵庫で69.7%、洗濯機75.6%、TV受像機(21、28、32型ブラウン管タイプ)85.7%といったSマークの取得率であり、店頭全体では71.1%の取得率になっているとしている。

近年メーカーの中国等国外への工場進出により、海外事業者が国内メーカーブランドの製品を製造するケースが増えてきている現状をみる時、製造・輸入業者に第三者認証のSマークの取得を流通側が要請することは、より安全な家電製品を販売する上で当然と言える。海外の例を見ても、米国ではULマーク(米国の第三者認証マーク)がなければ流通事業者がその製品の陳列を許可しない状況と言われている。 現在、(財)電気安全環境研究所、(財)日本品質保証機構、(株)ユーエルエーペックスの3法人が家電製品のSマークの認証機関となっている。 日本では、電気製品は安全であるとの神話に近いことが言われている。もちろんメーカーの厳しい自己認証も行われていることも確かである。しかし、今回の三菱自動車の例もある。より安全性の高い製品を市場に提供するためにも、第三者認証制度を早急に確立し、全ての製品でSマークを取得することが必要ではないだろうか。