高率なポイント還元

「高率なポイント商法の問題点を探る(2)」

 

 

家電業界に於ける高率なポイント還元商法は、本当に消費者の利益に適ったもであろうか?との視点で前回から述べているが、高率なポイント還元は結局は販売店側に非常にメリットの大きな仕組みと言うことができる。
つまり、ポイントは、例えば使用率において100%使われることは稀で、従って実際よりも少ない原価で顧客を誘引することができる。また、ポイントの加入、利用による顧客情報が入手・活用でき、ポイントの積み立て、有効期限等により、消費者の購買行動が増えるといったこと、さらには、ポイント分が次回値引きとなることにより、お店が資金運用面で有利である、といったことが挙げられる。

 

さらに、値引後の価格で表示するよりも、ポイント還元で表示している方が、実際の値引率に換算すると少なくて済むことから価格訴求の面から有利である。
また、値引き交渉すると、店側が値引きをポイントに置き換える事もある。例えば、表示価格100のものを、値引き交渉した結果95まで下がり、さらに値引き交渉の結果はそこから20%ポイント還元された場合、95から20ポイント還元されても、実際には購入価格は、75ではなく79,8(119の商品を95で購入したことになる)で据え置かれることとなり、価格が下げ止まることとなる。つまり、価格交渉時の値引きをポイントに転嫁することにより価格の下支えの効果が生じているともいえる。つまり、冒頭で述べた通り販売店側にメリットが多いと言える。
一方、消費者にとっては、ポイントを額面通りの値引きとの印象で捉えている場合が多いが、前回説明した通りチラシ等でアピールされた還元率よりも実際の値引率は小さい訳で、このことに気づいていない場合が多い。
加えて、ポイント制度には有効期限等利用条件等に制約があるにもかかわらず、そのことが明記されていない表示もある。また、ポイント会員ルールが消費者の知らないまま変更されてしまっているケースもある。もちろん、お店が倒産等により現存しなくなった場合には使用できなくなる。

 

 

また、景品表示上の問題点として、値引きにかわるポイント還元表示を二重価格表示の変形と受け止めた場合、比較対照価格とポイント還元率の操作次第では不当な二重価格表示とみられるケースもあるようだ。
以上のことから、ポイント還元のような販売手法については、これを充分理解・研究し上手に利用することが消費者にとっては必要なことと思われるが、一方で高齢化社会等、今の環境下で実際には理解力や利用の得手、不得手でかなり格差があることも確かである。
つまり、高率なポイント還元は、一見消費者からは大変有利と捉えられているが、実際には諸々の問題も含んでいることになる。
そこで、高率なポイント還元についてはその運用にあたってのルールが誰にでもわかるように明確に表示する必要があるだろう。また、現金還元かポイント還元かを選択できるようにする必要もある。
いま、家電業界はデジタルテレビやDVDデジタルカメラといった新三種の神器といわれる商品が好調に推移していることで比較的販売は好調に推移している。
しかし、一方で消費者は公正な表示や販売を望んでおり、法令遵守(コンプライアンス)が強く望まれている。本当に消費者の立場に立った取り組みが必要になってきており、消費者に誤解を与えないようにすることが最も重要と言える。

 

(家電公取協・消費者モニター研究会報告書を参考にさせていただきました)