記録的な冷夏

ビジネスモデルの問題

■6月度の販売速報が出ました

 

6月は全体で前年同期比で96.71%と、土・日の少なさを考慮すればほぼ横ばいでした。その中でエアコンは120.7%と大変好調でした。6月中旬から西日本を中心に強烈な暑さがやってきました。このため中四国地区や九州地区ではエアコンの好調さが、全体の数字を押し上げました。6月は名古屋から東ではまだ暑さが厳しさを増していなかったことから、地域的には西高東低という結果になりましたが、7月に入ってからは西日本だけでなく首都圏でも大変厳しい暑さが続いています。
昨年は稀に見る冷夏でしたので前年と比べてもあまり意味はありませんが、6月後半以降のエアコンを中心とした季節商品の売上げは昨年の2倍から3倍といった数字になっているように思います。

 

■冷蔵庫や洗濯機の動きもいいですね
昨年はエアコンだけでなく冷蔵庫も不振に苦しみましたが、今年は一転して大変好調です。洗乾一体型の洗濯機の動きも非常に良くなっています。今年は暑さのおかげで大型の白物商品が、大変いい動きになっています。
エアコンの売れ行きが好調なことによって、店頭に見えるお客様が増えています。それによって白物家電や映像系の商品はじめ、その他の商品にもいい影響を与えています。

 

■ボーナスの支給額が上向いてきたことも追い風要因のひとつになっていると思いますが
ボーナスはかつての生活給的な意味合いから、成果給的な意味合いへと変化してきました。日本の景気が回復基調に入り企業の業績が好転してきたことによって、ボーナスの支給額が前年を上回ってきました。収入が増えてきたということで、長い間締め続けられてきた財布の紐が緩んできています。

 

■アテネオリンピック効果はどの程度出ていますか
季節商品や白物家電以外では、フラットテレビやDVDレコーダーの需要が相変わらず好調で、テレビは127.54%、DVDは149.07%と、前年を大きく上回りました。これはもちろんアテネオリンピックによる効果もありますが、それよりもフラットテレビに対するお客様の認知度の高まりが大きく効いています。そこにアテネオリンピックという大型のキラーコンテンツが開催されることによって、フラットテレビへの買い替えが促進されているという構図です。
フラットテレビをお買いになられたお客様は、皆さん非常に満足されています。薄型大型画面テレビをお買いになったお客様からは、買い替えて本当に良かったという声を大変多く聞きます。
これをみても、フラットテレビは一過性で終る商品ではありません。アテネオリンピック後の一時期に若干伸びが鈍ることはあるかもしれませんが、年末に向けてフラットテレビへの移行がさらに加速されていくと見ています。

 

■全体に明るい話題が多い中で、パソコンの不振が際立っています
パソコンは10月まで回復してこないように感じています。これだけ厳しい暑さが続いていることに加えて、今年の夏はアテネオリンピックが開催されます。また、昨年の夏から10月までの一時期に、パソコンは久しぶりに前年を上回る数字を出していたこともあって、10月までは前年割れが続くのではないでしょうか。それでは、11月以降には立ち直ってくるのかというと、それも残念ながら非常に難しいように思います。

 

 

■これまでパソコンを介さなければ使えなかった機能がPCレスで使えるようになってきていることも、民生用パソコンの需要を引き下げている一因ではないでしょうか
事業系パソコンは比較的堅調です。問題は民生用です。パソコンの機能がテレビや携帯電話に搭載されてきていることも確かにひとつの理由になっています。しかし、最大の問題は、今のパソコンがお客様にとって、買い替えたくなるような商品になっていないということです。パソコンがもっと画期的な機能や内容を持った商品に生まれ変わらない限り、この流れは当分続いていくと思います。
その点、家電は技術革新がはっきりとお客様の目に見えます。たとえばフラットテレビもそうですし、DVDもそうです。携帯電話やIHクッキングヒーター、食器洗い機でも、お客様にとっての効用がはっきりとわかります。これに対してパソコンは、テレビチューナーやDVDがついたという付加価値は確かにありますが、結局は価格競争になっていることから、業界として負の循環になっています。

 

■ビジネスモデルの問題もありますね
これは何度も言っていることですが、いかにしてもビジネスモデルが悪すぎます。これでは誰もパソコン販売に見向きもしなくなるということがはっきりしてきたように思います。
今、店頭では中古パソコンが非常に売れています。パソコン全体ではそれほど大きく落ち込んでいるわけではなく、新製品を買う必然性をお客様がそれほど感じられていないだけなんです。
本来、リユース市場は新製品の需要が健全に伸びていく中で、育っていかなければいけません。ところが現在は、新製品の売上げが落ち込んでいます。また、リユースの商品にも限りがあります。今のままでは、市場はシュリンクしていってしまいます。それを跳ねのけるだけの技術革新がパソコンに生まれてこない限り、民生用のパソコンの販売が立ち直っていくことは難しいと思います。

 

■恒例の米国視察の今年の実施概要が固まりました

 

定点観測としてのアメリカ視察を今年も実施します。これは毎年好評を得ている企画です。是非多くの皆様方に参加していただきたいと思います。
アメリカの流通業は日本の何年か先を動いています。この点を見ると同時に、その中で専門店の新たな動きなどを感じとっていただければと思います。

 

■岡嶋会長が家電公取協の副会長に就任されました

 

ヤマダ電機さんが入られたことによって、家電公取協の役割がますます重要になってきています。商組さんが参加されている家電公取協の中で、量販店の立場からのご意見を申し上げることが重要だということで引き受けさせていただきました。

 

■これでカメラ系を除いてほぼすべての家電販売業態が家電公取協に入られたことになりますね

 

カメラ系さんも含めてすべての業態の家電小売業者の参加を得て、家電公取協は家電流通業全体を包含した形になっていかなければいけません。その点ではメンバーをもっと広げていくことを是非お願いをしていきたいですし、後押しをしていきたいと思っています。

 

■7月度の家電量販店の活動の中で、特に重要なテーマを紹介してください

 

セキュリティー研究会と個人情報保護法の研究会など、経営問題でいくつか会議がありました。また18日には米国セミナーがありました。
特に個人情報保護法については大変重要な問題ですので、会員さんの自社の体制を見直していただいて、来年4月1日の施行までには十分体制を整えていただきたいと思います。

 

■今後の家電量販店の在り方についての検討状況はいかがでしょうか

 

これから本格的な検討段階に入っていきたいと思っています。会員各社を巡る環境が大きく変わってきている中にあって、家電量販店も旧来の活動から大きく変えていかなければいけません。いろいろな面で活動内容や組織の在り方を見直すチャンスですので、8月の理事会で皆様の意見をさらに集めていきたいと思っています。

 

■この夏商戦とそれ以降年末に向けた見通しを聞かせてください

 

アテネオリンピックまでの残された期間に、どれだけ映像商品を大きく盛り上げていけるかがこの夏商戦のポイントです。映像商品を盛り上げることによって、他の商品も盛り上がります。ポストアテネにあたる9月から10月にかけては、少なからずその反動が出てくると思います。そこをどうやってうまくつなぎ、年末商戦を盛り上げていけるかが夏以降のポイントです。年末商戦の中心も、引き続き映像系の商品になります。
これだけフラットテレビに対するお客様の認知度が高まってきていますので、アテネが終っても大きな落ち込みはないでしょう。デジタルビデオレコーダーでも、DVDに加えてハイビジョン放送の美しい画質をそのまま録画できるBlu-rayへの注目度が高まっています。
映像系以外ではIHクッキングヒーターや食器洗い機、洗乾一体型洗濯機など、様々な商品分野で新しい機軸の商品の話題に事欠きません。
ただ全体的に市場の見通しが非常に明るい中で、薄型テレビやDVDレコーダーの普及に拍車がかかっていくことによって、単価ダウンが進んでいくことが若干懸念されます。

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