インタビュー

家電量販店

■5月の売上速報がまとまりました。
4月に引き続いて5月も前年を割り込み、全体では95.3%という数字で終わりました。5月はテレビの売上が84.7%と大きく落ち込みました。
昨年はワールドカップの直前ということで、プラズマを含めてテレビが大いに盛り上がりましたが、今年はその反動が出てきました。パソコンは相変わらずで、前年の80.7%と低調で、全体の足を引っ張る大きな要因になっています。
その中で、レコーダーを中心にしたDVDや冷蔵庫、洗濯機、クリーナーといった大型白物家電が元気です。また、デジタルカメラも前年の122.0%と好調です。テレビやパソコンが悪かった一方で、そうした元気な商品もあるというのが、今年の5月の状況だったと思います。

 

■6月の見通しはいかがですか。
6月の中盤以降はワールドカップの反動の影響もなくなりますので、テレビも回復してくることが想定されます。前年割れが続いていたパソコンですが、6月の初旬からようやく前年を上回ってきています。季節要因では、エアコンの動きがどうなるかは、暑さの来方しだいです。

 

■今年は比較的早い時期から蒸し暑くなってきていますね。
ただ、昨年は梅雨入り前に暑さが一度来ましたが、今年はいきなり梅雨に入ってしまいました。梅雨入りが例年より少し早めでしたので、早くあがってくれれば、その後は一気に暑さが来るということです。
環境的にはいいと思います。7月に向けて映像が回復基調に入り、パソコンが前年を上回りそうです。あとは季節商品がのれば、いい夏が来るということではないでしょうか。

 

■ようやくパソコンが前年を上回りそうだということですが、その要因は何でしょうか。
最大の理由は、昨年がとんでもなく悪かったということです。業界全体で値上げをした反動が出て、それが夏商戦まで響きました。今年は、昨年の学習効果もあって、価格的にはむしろ下げてきています。
また、夏商戦から秋にかけては、波の大きさがどの程度になるかはわかりませんが、家庭系パソコンのリサイクルがスタートしますので、その直前の駆け込み需要も起きるでしょう。これらの点から、パソコンは第2四半期についてはうまく展開できる環境はできています。

 

■今年の家電量販店の活動の最大のテーマとして、行き過ぎたポイント制度の是正が掲げられていますが、現状を聞かせてください。
先日の理事会で日比谷総合法律事務所の多田先生から、過度なポイントの付与は、値引きと判断した場合でも、景品と判断をした場合でも、どちらにしても問題があるという見解をいただきました。
値引きという判断をするのであれば、売価からポイントを引いたものを実売価と判断すべきで、それを判断しないのは問題だというのが多田先生の見解です。これは、われわれの主張と同じです。
たとえ後日値引きであろうとも、実売価をきちんと表示することが必要です。要は何をもって実売価とするかというルールを、公正取引委員会が判断してくれればいいわけです。値引きであっても値引きでないという判断は、公正取引委員会が不当廉売や不当表示に対して取り締まりをする公共機関としての職務を果たしていないということです。

■適法か違法かを判断するために、実売価を明確にしなければいけないということですね。
値引きと判断するのであれば、売価からポイント分を差し引いた価格が実売価です。その金額がネットを割っていれば、不当廉売に当たる可能性が非常に高いということです。一部の量販店、特にカメラ系ですが、いろいろな商品の粗利をミックスして、過度なポイントを付与している商品群があります。これは基本的には不当廉売ということで、過去からも非常に問題にされてきています。
大資本がその力を利用して、ある一定の商品だけに集中的にお客様に対するメリットをつけるということは、小さな企業に対して不当な競争を強いることになります。過去のいろいろな判例からも、粗利のミックスによる過度な値引きは排除されるべきだということが基本的な考え方になっています。そこが問題です。
また、景品と判断されるのであれば、過度な景品のメリットをつけているということなので、これも問題です。
基本的には公正取引委員会が公平なルールという視点でフェアな判断をどうやってルール化してくれるかということが重要です。今後はそういう見解のもとに、公正取引委員会に対して改善を要望していくということが必要だと思っています。

 

■法的な場での判断を仰ぐという選択肢もあるようですが。
今、様々な方法を検討しているところです。ただ、現実には被害の立証や訴訟の手続きは非常に面倒です。ひとつの方法として、具体的な企業に対して、広告の差し止め請求を行って法の判断を仰ぐという方法があります。ただ、これは同業者を刺すような話になりますので、あまり望ましくありません。
公正取引委員会に家電量販店の見解をぶつけて、改善を要望していくことによって、解決を図っていくことが望ましいと思います。ポイントの表示の問題については、いろいろな知恵を出しながら公正取引委員会に対して、強く要望していきたいと思います。

 

■RFIDの関連事業者170社で共通規格化を進めている旨の新聞報道がありました。家電量販店としては、どういう絡み方をされていくのでしょうか。
情報端末の規格が進みつつあるということは、大変いいことだと思います。ただ、これについては詳細な中身がまだわかっていません。これから調べながら経済産業省にお願いして、できるだけ我々が有効に活用できるタグの導入に向けて要望していきたいと思っています。
RFIDに書き込む内容などはほぼ決まってきますので、今年は実証実験について流通側が協力を求められることになると思います。家電量販店としては、そこに積極的に参加していくことになると思います。

 

■土日配送など物流の運用面での動きについてはいかがでしょうか。
家電量販店の会員の中には、365日稼働の要望を持っているところもあれば、繁忙期だけでいいとか、それぞれの企業の事情によって相当の温度差があります。また、受発注や物流を運用するためのシステムもそれぞれの企業によって異なります。物流をどうするかは、企業戦略の重要な問題ですので、これを業界全体で一本化するということは、競争環境としていかがなものかという問題もあります。
メーカー側にお願いしたいことは、この方法でないと自分たちはできませんよということではなくて、小売業からの要望に対して柔軟に対応していただきたいということです。お客様に対して我々がどういうサービス、どういう販売手法を取るかということについては、それぞれの企業ごとに戦略があります。それに対して柔軟に対応をしていただけるような365日の配送体制をつくっていただければ、あとはいかようにでも組み合わせることができます。

 

■人材教育や研修面ではいかがでしょうか。
昨年実施させていただいて好評だったアビリティガーデン主催の店長教育研修を、今年は家電量販店主催で秋に開催したいと思っています。
また、7月には経営委員会で3本の研究会を計画しています。まず7月2日に「家電量販店セキュリティシステム研究会」を開きます。店頭の盗難防止の対応策について事例紹介を含め講演していただきます。
次に堅実に売上げを伸ばしておられるケーズデンキの加藤社長にその経営哲学を語っていただきます。
そして最後に米国視察の現地コーディネーターをお願いしています富永先生をお招きして、米国流通についての講演です。

 

■東京電力の原発の問題もあって、最近節電省エネが話題になっています。
会員にはぜひ省エネ商品の推奨をしていただきたいと思います。省エネは節電を意味しますので、環境に優しいだけでなく、お客様の財布に対しても優しくなります。冷蔵庫やエアコンなどでは、7?8年使うと今までの製品との電気代の差額で、商品代金をカバーしてしまうものすらあります。
社会性だけでなく、実利的な面でのメリットもご説明するなど、販促策の一つにもしていきたいですね。

 

■地上デジタルの開始に向けた準備が進んでいます。東芝からは対応商品も発売されました。地上デジタルに対するお客様の関心はいかがでしょうか。
東芝の地上デジタル対応テレビが好調です。お客様は地上デジタルに対して関心をお持ちになってきています。夏商戦、秋口にかけてはその対応機種やその中身などへの関心が高まっていくと思います。
これによって、将来はカーナビも大きく変わってくるでしょうし、いずれは携帯電話にまで取り込まれていくことにもなりそうです。地上デジタルは大変面白いビジネスになっていくのではないでしょうか。

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