インタビュー

家電流通業界

■3月の販売速報が出ました。

 

3月は新入学需要で期待されましたが、全体では96.49%という結果に終わりました。イラク戦争の影響もあって消費全体が冷え込んでしまったように思います。テレビではプラズマや液晶テレビに一服感が出てきたようで横這いでした。ビデオカメラではビクターから出されたハイビジョンに対応したビデオカメラが好調です。PDPやDVD録画機などもそうですが、価格が高くてもお客さまのニーズにあった商品を出せば、売れるということを感じます。
DVDも録画機タイプが相変わらず好調で、200%を上回りました。2月は前年比で99.2%とほぼ前年横這いの実績でした。その他では洗乾一体型が依然として好調な洗濯機、デジタルカメラ、カメラ付きで新しい使い方を生み出した携帯電話機、DVDソフトを含むレコード等が前年を上回りました。
これに対して、PCはなかなか回復してきません。周辺機器は少し持ち直してきましたが、本体は26カ月連続で前年比割れと大変厳しい状況です。いつ下げ止まるかも見通せません。

 

■4月17日に東京・全日空ホテルで総会が開催されました。まず最初に平成14年度の総括をお聞かせください。
家電量販店の経営環境が一層厳しさの度合いを深めています。当会の会員においても厳しい市況の中で期中に3社が退会しました。このような状況のもとで、家電量販店では組織のスリム化を図るとともに、理事会の開催に合わせて常設委員会を設置して、時宜に合わせたテーマを選んで講演会を開催するなど、全会員の参加を積極的に推進してきました。
また、会報誌の編集が音元出版に変わってからその内容が充実してきたとともに、同社のホームページ「phile-web」とも連携し、当会の事業内容や会員の周知徹底に努めました。
経営委員会関係では恒例の家電量販店トップゼミを開催しました。海外視察は米国流通市場視察に加え、成長著しい中国の市場視察を実施しました。米国視察については会員さんからの要望が強いので、今後も引き続き継続していきたいと思っています。今年はイラク戦争のあおりもあって、5月には実施できませんが、10月初旬を目途に再設定したいと考えています。
また、物流の研究会を2年間続けてきましたが、これは一定の成果があったと思います。かなりの量販店がセンター方式の物流を開始しました。今後は土日の配送などといった運用面について、メーカーと協議していきます。すでに総会の翌日4月18日にメーカー2社にお会いして、家電量販店の要望を伝えています。この問題については、今後改善に向けた活動をしていきます。
店頭防犯対策についての研究も進めてきましたが、家電量販店会員向けの特別価格で防犯機器の紹介をできたことも特筆すべき点でした。物流・防犯の研究はともに1昨年からの継続事業ですが、特に物流問題では家電業界全体で取り組んでいるRFIDを使った物流や家電リサイクルの実証実験が昨年行われ、ベスト電器さん、デオデオさん、デンコードーさんなどに関わっていただきました。これについては、家電製品協会を中心にフォーマットが統一されますが、その中で小売業として重要な防犯に対する機能を入れていただくということで進めているところです。
人材教育面ではアビリティガーデンと共同研究を進めてきました。アビリティーガーデン主催のセミナーにかなりの会員さんに参画していただいていますが、今年はそれを家電量販店主催のセミナーに代えていきたいと思っています。

 

 

■岡嶋体制が2期目に入りました。その初年度としての今期の活動方針をお聞かせください。

 

今、家電量販店として取り組まなければいけない最も重要な問題は、公正で自由な競争環境の実現です。
家電公取協の小売規約の見直しに取り組んでいるところですが、これと合わせてポイント制の問題について家電量販店としての考え方を明確にしていく必要があります。昨年12月5日に公正取引委員会が価格ガイドラインを出しました。その中でポイントは値引きであるということが明確になりましたが、則値引きなのか後値引きなのかについての判断が出されていないためうやむやになっています。
則値引きであれば表示された値段からの値引率ということで、不当廉売の恐れがあるようなケースが出てきます。一方、ポイントを景品というとらえ方をすれば、10%以内という景表法の規定がありますので、それ以上のポイントは過大景品ということになります。家電量販店としては、判断があいまいになっている値引きではなく、景品として捉えることで上限を設けていきたいと考えています。この問題については、今後家電公取協や公正取引委員会とも懇談する中で、法的な問題をクリアできる方法で是正していきたいと思っています。
その他では、家電量販店の要望で平日実施が決まった家電製品アドバイザー試験がありますが、これは店長教育ともリンクしています。今年度の経営委員会では、店長教育を中心とした人材の高度化に積極的に取り組んでいきます。また、人材教育の一環として、今年は流通用語集を編纂・発行していきたいと思っています。
環境問題も大きなテーマです。家電リサイクル法では5年目の見直しに向けて、これまで家電量販店が主張してきた問題点に加えて、リサイクル料金の徴収の仕方が今のままでいいのかという問題があります。
家庭系PCでは原価織込方式となりましたが、同じように家電でも原価に織り込んでしまうという方式に変更する必要があると思います。
家庭系PCのリサイクルについては、10月1日の施行に向けて、今後、説明会などを開いていきます。今回は小売業に回収リサイクル業務に関する責任はありませんが、お客さまに対しては、きちんと知らせる必要があります。お客さまとの間でトラブルを防ぐとともに、消費者に有益な情報を流すために、これについての勉強会を徹底してやっていきたいと思っています。
また、家電リサイクル法では、廃棄物となった家庭用エアコンのリサイクルに際して、冷媒として使用されていたフロンの回収が義務付けられたことや、リサイクル品目に新たに冷凍庫が加わったことについても、その点についても周知徹底していく必要があります。

 

 

■PCの修理・サービス問題もテーマのひとつですね。
家電量販店会員では延長保証制度をやっていますが、予防的な修理サービスまでやってしまっているように思います。その結果、料金が高額化し、現状の延長保証を維持することが難しくなっています。これを放置しておくと、結果的に保険料の上乗せとかいう形でお客さまにはね返っていきます。これについては、今後メーカーさんと相談させていただいて是正していきたいと考えています。いかにしてトータルコストを削減していくか。そして、それによって最終的にユーザーベネフィットを高めていくことが大切です。

 

 

■最近エディオングループにギガスカンサイさんが入られました。今後家電量販店会員に対する取り組みに変化があるでしょうか。
会員さん同士では、もちろんライバルを意識してやることも必要でしょうが、最終的にはお客さまの視点で見て、いろいろな事業を展開していくことが、生き残っていくための方策だろうと思います。今回エディオングループにギガスカンサイが入ったように、一方では規模の拡大ということもひとつの方向性としてありますが、何よりも消費者を向いた視点での経営が重要になってくると思います。
今回の総会で役員改選が行われましたが、事業の継続性を高めるために改選はできるだけ小幅にとどめました。
残念ながら、この2年間で家電量販店の会員数は減少し、グループ全体の売上は落ちてきました。その背景には一般論としての日本経済の現状があることは事実です。しかし、本質的な問題はそういうことではないと思います。お客様が求められていることに、われわれが本当に応えられているかどうか。そして、公正な競争環境の中で、それぞれの業態や企業の競争が行われているのかどうか。そういう目で見ると現状はあまりにも問題が多すぎるように思います。
共通の理念を持つ家電量販店会員の再結集を図って業界の課題を解決していく。そして、家電販売業界のリーダーシップを今あらためてとっていく。家電量販店は今年度そういう気概で取り組んでいきます。その意味で会員さんからもぜひ意見を寄せていただきたいと思います。

 

 

■家電量販店が再結集を図っていくということですが、その具体的なイメージはどういうものでしょうか。

 

まず第1にすべての会員が集まってさまざまな問題を議論できる全員常設委員会を充実させていくことです。
次に、各会員さんのところに出向いていって、現状の説明や目指していくべき方向についての意見の集約を今年は徹底してやっていきます。
また、加藤委員長を中心に会員企業の経営問題にも積極的に取り組んでいきます。たとえば、規模別に店長を集めて現状の問題点と今後のあり方を意見交換するといったような経営研究会を積極的に展開していきたいと思っています。

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